2007/02/08

[社会] いわゆる「柳沢ショック」について このエントリーを含むはてなブックマーク

政治や国会から、ワイドショーまで騒がせている、
いわゆる「柳沢ショック」関連でいろいろ思うこと。
子供をこれから育てる立場として、看過するわけにもいかない感じなので。

何かと話題になっている"「生む機械」発言"。
言葉の真意や本質を別にして、これはまあ、結構ひどいことは言ってると思う。
で、「普段思ってるから言葉にでる」とか「発言は撤回すべし」というのは正論だと思う。
頭が回らないというか、元官僚のおごった考え方というか。
ただ、野党各党やマスコミの世論操作、挙足取りはとても醜いと思ってしまう。

大臣としてある程度の責任は付随してくるだろうけど、
まあ、それを言うならマスコミが取り上げない野党の皆様の失言も結構ひどい。
ちょっとググればいくらでも出てくるんだけどね。

まずは直近で有名なのは野党第一党、民主党の管代表代行。
自民党幹事長、中川秀直議員のサイトに載ってた1月15日の民主党大会でこんな発言。

中川秀直Webサイト
もういい加減に、言葉尻をとらえた「ことば狩り」はやめたらどうか。政策の中身を問うたらどうなのだ。いくら言葉尻をとらえても、柳沢大臣は女性蔑視論者であるという証拠にはならない。

そんなに「ことば狩り」がしたいなら、一つの題材を与えよう。
「東京は景気が良い、生産性が高いと言われるが、しかし、東京は日本で一番生産性の低い大都市。何の生産性か、それは子供の出生率において、0.98という最も生産性を示している都市。逆に言えば日本がみな東京のようになってしまったんで、日本は成り立たなくなりといえる」

山陰地方の新聞でも同様に、
山陰中央新報 - 国づくりの指針・山陰から問う少子高齢化
少子化問題でも、生産性が高い東京が、子どもの生産性は一番低い。


「生産性」ってなんだろうか。
生産性 - Wikipedia
生産性(せいさんせい:productivity)とは、資源から付加価値を生み出す際の効率の程度のこと。

やれやれ、子供は「付加価値」ですか?
出産すること、命をつないでいくこと、国を守るベースを築いていくことは
「付加価値を生み出す効率」と認識されてしまうのですか。たまらん。
「機械」もまあ、たいがいだけど、
「生産性」て、完全に単純作業のくり返されるレーンみたいなものでしょ。
そう言う言葉って、「普段から思っているから」出てくるんじゃないのかなあ。

しかも、それを問いただされると
「そのときの表現が、一字一句どうなっていたのかというのは、率直に申し上げて私が喋った全部、言葉尻までは覚えていませんから。少なくとも趣旨は、地域について申し上げたんです。生産性が高い、景気のいいといわれる地域が、出生率の点では低いところが東京など含めて多いということを申し上げました」
J-CASTニュース

だってさ。
自分のことは「覚えてない」と棚に上げて、である。

それを思うと、柳沢大臣の
「若者の健全な希望にフィットした政策を出していくことが非常に大事だ」
という発言の方が、これから子供を育てていこうとする若夫婦には、
よっぽど政治や社会に対して希望が持てるのだけど、
実際はそういうことでもないんだろうか。
野党第一党とか、闇の内閣とか言ってるけれど、
民主党が政権を取ったときの少子化対策ってなんなんだろうか、とね。

ちなみに民主党代表の小沢氏は、自身のWebサイトで、
人の親としてあるまじき発言もしている。
ニートが増加しているというトピックで、
子供が独り立ちしないのは親の責任だ、という文脈で
小沢一郎ウェブサイト
僕は自宅で小鳥を飼っているが、親鳥はヒナが大きくなるまでは一生懸命に世話をするが、一定の時期がくると冷たいほど突き放して巣立ちさせる。ニートの親は動物にも劣るといっても過言ではない。



もうここまでくれば僕のしてることも明らかに下世話な挙足取りなんだけれど、
マスコミや野党のそれはそんなレベルでもないし、
そんな子供のけんかみたいなことを国会でやってる議員の給料は、
結局のところ僕らが搾り取られている税金から出て行ってる訳で。
敢えて(というか皮肉たっぷりに)ここで挙足取りをやってみて、
自分でもうんざりするくらいイヤな感じになるけど、
当の議員先生方やマスコミの皆様は、イヤな感じにならんのだろうか。

少子化の問題というのはやっぱり歴然としてあって、
それでも僕ら夫婦は子供が欲しいと思って決意をしたのであって、
だからこそ「健全な希望にフィットした政策を出して」欲しいと切実に思う。
それを議論するための議会であり、それを国民の代表たる「代議士」として
その場に望むことを専門職としている議員の人たちのしてることが、
泥臭い挙足取りってのはやっぱり哀しいし、
そんな野党の姿勢にも本当にうんざりする。

もうひとつ息巻いている野党の社民党に至っては、
党首の福島瑞穂議員は「産まない選択―子どもを持たない楽しさ
なんて本まで出してる訳で、
本質的に少子化を志向してたりする訳だから、
議論自体が挙足取りで議論を目的とした議論な訳で。

テレビ見てても、コメンテーターの人はいい加減ですよ。
みのもんたなんてひどいもんです。
今日の「朝ズバ」では
「子供を一人当たり、1億くらい配ればいいんです」なんて言ってた。
ソースは見つからないのでご勘弁。

そりゃあんたは儲かってるからいいでしょうよ。
やれやれ。


民主の小宮山洋子議員、あの黄色いスーツで国会出るのもどうかと思うけど、
実は結構まともな政策を立ててらっしゃるのよね。
子どもの養育にかかる経済的負担の軽減とを目的にした
「児童手当法の一部改正案(子ども手当法案)」てのがあるらしいけど、
政府案よりも「もっと出すべき」と言ってらっしゃるのね。
民主党の「児童手当法一部改正案」(子ども手当法案)について
 支給額は、政府案が第1子・第2子に月額5千円、第3子以降には月額1万円なのに対し、民主党案では子ども1人あたり月額1万6千円。支給対象は政府案が小学校修了までとしているのに対し、民主党案では義務教育が終わる中学校修了までに広げ、所得制限なしで支給対象とする。


だったらちゃんと政策論議をすればいいのに、
挙足取りでは結局「野党はダメだ」にしかならないのですよね。
野党とか、与党とか、結局のところはそういうレベルの話じゃなくて、
少子化を回避するためには、
  • 出産が出来る人の数(いわゆる「機械」ね)は限られていて
  • でも出産したいという人はたくさんいて(いわゆる「健全な希望」)
  • でもお金や政治や社会に不安が多いから、なかなか
ってことはすごく明確で、それをきちんと対応が出来れば良いと思うし、
例えば子供のいる人といない人で控除の差があるのがもっと大きくてもいいと思う。
そういういろんな事情を汲んできちんと論議すべきだし、
マスコミはそういう情報を偏らずに報道すべきだと思うのだけど。


と、とりあえず長くなりましたが、
産經新聞のコラムがすごくまともなことを書いているので最後に引用。
そう、まるっきり「イジメ」みたいなもんですよ。
こんな内容も子育て日記の本質から逸脱するので、
次回以降はもっとあっさりと。ただ、このトピックについてはどうしても。

【産経抄】 - 2007/02/08
 ▼いまさら、「プロ根性」と説いても詮(せん)無いことながら、いま時の政治家、新聞記者も宮本巡査部長の無心の行為に学びたい。柳沢伯夫厚生労働相の「産む機械」発言が時代錯誤であることはもちろんだ。ただ、これを政治に利用しようとする野党やメディアの心根が浅ましい。

 ▼反論できないと知るや、寄ってたかって「女性差別だ」と罵声(ばせい)を浴びせる。子供の陰湿なイジメと違わないから、教育再生も少子化対策も彼らには託しがたい。武士には「武士の一分」があるように、政治家にも一分、職責があるはずだ。


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